2018年の年明けごろから Jira Cloud に順次 次世代プロジェクト に関連する機能がロールアウトされています。今回は、この「次世代プロジェクト」について少し掘り下げてみます。想定読者は現場のJira管理者です。記事の内容は 2018-11-27 時点の仕様に基づいています。
ひとことで言うと、簡単に Jira を使えるプロジェクトタイプのことです。
区別するために従来から存在するプロジェクトタイプは「クラシックプロジェクト」と呼ばれています。クラシックプロジェクトは、要件に応じた柔軟な設定が可能だった代わりに機能が多く複雑でした。
この反省をふまえて誕生したのが次世代プロジェクトです。たんに機能を減らしたわけではなく、チームの可能性を引き出すには簡単な Jira が必要だという信念のもとに提供が開始されました。
次世代プロジェクトの大きな特徴は、簡易な操作体系が重視されていることです。それをふまえ、現時点ではおおまかには次のような方針で使い分けていただくことをおすすめします。
例えば、次世代プロジェクトに関連する最も多い質問の1つに「次世代プロジェクトでサブタスクは使えないのか」というものがあります。実は、現時点ではサブタスクを作成することはできません【追記: サブタスクがリリースされました】。この質問のように「今までのJira」に存在する機能を探そうとすると、どうしても次世代プロジェクトでは役不足です。
もちろん今後も次世代プロジェクトでは、レポートなどのアジャイル関連を中心に有用な機能が続々とリリースされていきます。しかしながら少なくともこの先数カ月程度でクラシックプロジェクトと同等の機能スタックに追いつくことはまずありません。
その反面、次世代プロジェクトではJira管理の未経験者でもすばやくプロジェクトを開始できますし、あたらしくプロジェクトに入るチームメンバーがキャッチアップする速度も早くなります。
こういった各プロジェクトタイプの特性をふまえて Jira を利用することが、チームの潜在能力を引き出すことに繋がります。
要件にあわないのに次世代プロジェクトを使いはじめてしまってもご安心ください。下記手順で作成済みの課題をクラシックプロジェクトへ移行させることができます。
プロジェクトタイプ間を設定で切り替えることはできません。詳しくはドキュメント 次世代プロジェクトとクラシック プロジェクトとの間の移行 を参照してください。
次世代プロジェクトへは随時機能追加が行われているので、社内のユーザーから問い合わせを受ける立場のかた(サイト管理者など)には必要に応じて週次で更新される Atlassian Cloud ドキュメント ブログ記事 を定期的に目を通していただくようおすすめしています。
次世代プロジェクト関連の FAQ を一問一答形式で紹介します。
新しい課題ビュー と次世代プロジェクトの関係は? →すばらしい質問です。次世代プロジェクトに限っていえば、「新しい課題ビュー (new issue view)」が必ず利用されます。つまり、個人設定の「Jiraラボ」の設定は無視されます。なお、新しい課題ビューで提供予定の機能一覧は JRACLOUD-70555 から閲覧できます。
クラウド製品は移り変わりが激しいですが、初回投稿時の想定では最低限3ヶ月程度は有益なドキュメントとなることを目指して執筆されました。
K. Yamamoto
Technical Support Engineer
Atlassian, K.K.
Yokohama, Japan
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