上図は、ライフサイクルを巡回する価値の流れを示してみたものです。
基本的にツールは、成果物にひも付きます。言い換えれば成果物に引っ張られる傾向があります。例えば、バージョン管理ツールは、ソースコードに。要求管理ツールは、要求文書に。
これらは、ウォーターフォールのように各工程に集中できる場合は、都合がよいのですが、ビジネス価値を最大化するソフトウェア開発での「価値の流れ」を重要視すると、返ってサイロを生み出してしまう一因となってしまうことがあります。
そこで、この図では、ツール(円筒の部分)とそれらの連携(パイプ)を示してみました。このときに、中心にあるような Hub になってくれるツールも必要となります。ツールが一列に並んでいるだけでは、情報収集は人手で賄うか、手入力か、自動化のコストをかけるかしなければならなくなってしまいます。
そこで、Hub になるツールを中心に据え、このツールと他のツールをシステム間連携することができれば情報の収集も更新も比較的簡易化できることが見込めます。
実際に、アトラシアン製品のロゴをマッピングしていますので、それぞれのツールの立ち位置を確認してください。アトラシアン製品では、JIRA Software が Hub の役割をしています。
その Hub とその他のツールの間に主な成果物をあてがってみました。その成果物は基本的に連続したつながり、依存関係をもっています。これが「作業間の移行」であり、「引き継ぎ事項」であるわけです。それを 価値の流れ と呼ぶとすればそれらは、ツールをまたがり行き来することで活きて行くことがわかります。
したがって、ツールは連携させることで、現場が同じ方向を向いて、そこへシンプルに最短距離で到達する道具として活用することができるのです。
もしそれを意識せずにツールを導入したとすると多くの場合は、直近の課題を解決する対症療法としての活用に止まります。もしくは、局所に最適化しすぎてしまい、作業間の移行にかえってより多くの負担を現場やマネージャに架してしまうかもしれません。
ツールの導入は、まず第一に現場でコンセンサスをとること、同じ方向を向くことが大切です。道標を作れば、その道をたどるための道具は見えてきます。
ぜひ皆さんの現場のツールを上図に当てはめてみてください。途切れているところはありませんか?手作業でまかなっているところはどれくらいありますか?そもそもその当てはめたものはメンバーで一致していますか?
たまにはちょっと一休みして身の回りを整理してみてください。そのときに絵を描くことをお勧めします。
Tomo
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